研究概要 |
統計学でもしばしば登場する(連続時間の)線形発展方程式が安定性であるための必要十分条件は,遷移行列Aのすべての固有値の実部が負なことである。この性質はまた, HA+A^*H<0 という行列不等式を満た正定値行列Hが存在することとしても特徴付けられる。このようなHを安定な行列Aに対するLyapunov解という。 A, Bが共に安定であるとき,共通のLyapunov解をもつとための条件を確定することは未だなされていない。ここでは立場を変えて,行列の集合νが,背後に隠された正定値行列Hがあって,きっちりとν={A ; HA+A^*H<0}の形になっているための必要十分条件を決定することに成功した。 (離散時間の)発展方程式が安定であるための必要十分条件は,遷移行列Aのすべての固有値の絶対値が1より小なことである。この性質はまた, A^*HA<H という行列不等式を満たす正定値行列Hが存在することとしても特徴付けられる。このようなHを離散安定な行列Aに対するStein解という。 行列の集合νが,背後に隠された正定値行列Hがあって,きっちりとν={A ; A^*HA<H}の形になっているための必要十分条件を決定することにも成功した。
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