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2001 年度 実績報告書

クリスタルビームの基礎物性に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 13874034
研究種目

萌芽的研究

研究機関広島大学

研究代表者

岡本 宏己  広島大学, 先端物質科学研究科, 助教授 (40211809)

研究分担者 小方 厚  広島大学, 先端物質科学研究科, 教授 (60023727)
キーワードクリスタルビーム / 蓄積リング / レーザー冷却 / 運動量分散 / 空間電荷効果 / 分子動力学シミュレーション
研究概要

ビームの結晶化を実現する上で問題となり得る効果のうち、「外部集束場の周期性に起因する共鳴不安定性現象」および「双極磁場が生み出す運動量分散効果」の二つについて詳細な検討を加えた。クーラー蓄積リングTARNIIのラティス構造を具体的に考慮したシミュレーション研究によって、以下のような知見が得られた:
(1).共鳴不安定性によって、ビームの性質が著しく劣化する。とくに、2次と4次の共鳴が問題である。
(2).ビームを冷却する過程で半整数共鳴(2次共鳴)の禁止帯に遭遇した場合、それ以上の冷却は困難である。
(3).単一ラティス周期構造当たりのベータトロン振動位相の進みが90度以下であれば、共鳴不安定性による冷却阻害はほとんど起こらない。
(4).高周波電場によってバンチされたビームが結晶化された場合、蓄積リング固有の運動量分散の影響で、結晶構造全体が水平方向に周期振動する。このため、結晶化したビームの温度がレーザー冷却のドップラー限界を大きく上回ることがある。
(5).バンチされたクリスタルビームの結晶構造転移は、連続ビームの場合とは異なる閾値で発生する。
尚、使用したコードは分子動力学コード"SOLID"およびPICコード"SIMPSONS"で、いずれも粒子間クーロン相互作用を近似的に導入することが可能である。極低温領域におけるビーム物性を調べる目的には主に前者を用い、冷却初期の高温状態をシミュレートするのには後者を使うことによって計算時間の短縮をはかった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] H.Okamoto: "Single-particle orbit equation in crystalline beams"Physics of Plasmas. Vol.9 No.1. 322-329 (2002)

  • [文献書誌] H.Okamoto: "Parametric resonances in intense one-dimensional beams propagating through a periodic focusing channel"Nuclear Instruments and Methods. (in press).

  • [文献書誌] H.Okamoto: "Particle barm resonances driven by dispersion and space charge"Nuclear Instruments and Methods. (in press).

  • [文献書誌] H.Okamoto: "Radio-frequency quadrupole trap as a tool for experimental beam physics"Nuclear Instruments and Methods. (in press).

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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