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2001 年度 実績報告書

ナノ構造を用いた低エミッタンス電子線源の開発

研究課題

研究課題/領域番号 13874035
研究種目

萌芽的研究

研究機関広島大学

研究代表者

遠藤 一太  広島大学, 先端物質科学研究科, 教授 (90033894)

研究分担者 横山 新  広島大学, ナノデバイス・システム研究センター, 教授 (80144880)
浴野 稔一  広島大学, 総合科学部, 助教授 (40185103)
キーワード電子銃 / 電子線源 / 冷陰極 / 電界放出 / ナノ構造 / 低エミッタンス
研究概要

鋭い突起状構造をもつ電極に高電圧を加えると、電極から電子が飛び出す「電界電子放出」現象がおこる。これを利用した電子線源はすでに電子顕微鏡などに用いられているが、本研究では最近急速に進歩しているナノ構造加工技術を用いることで、将来の高性能電子加速器で重要となる低エミッタンス高電流のパルス電子銃の開発をめざしている。
まず、シリコン基板上に異方性エッチング技術で多数の突起構造を実現したフィールドエミッションアレー(FEA)を独立行政法人産業技術総合研究所の協力を得て作成した。構造は同所で開発されたゲート電極付FEAに倣い、2.5mm角の中に数万の突起が規則正しく並ぶものとした。試作したFEAサンプルの電子電流測定をおこなった結果、
(1)電流電圧特性は、ほぼ理論式に従う。
(2)パターンの突起数増加とともに電流が増大する。
(3)パルス電圧を印加すると直流電圧の場合より大電流が得られる。
(4)適切な表面処理により電流が一桁程度増加する。
(5)真空度は10^<-7>Torrより良くする必要がある。
ということが確認できた。しかし、電流の絶対値は少数の突起構造のFEAでおこなった予備実験から予想した値には到達していない。このことは、突起構造全てが機能しているわけではなく、ムラがあるということを意味している。電子顕微鏡による観察によっても、不完全な突起構造がしばしばできることが裏付けられた。従って、今後FEA製造工程のさらなる最適化と安定化が必要である。
一方、別種の電界放出源材料としてダイアモンド膜およびカーボンナノチューブの可能性を探るため、電子顕微鏡観察をおこなった。ダイアモンド膜からの電界放出電流測定では今のところ有意な量の電流値は得られていない。さらに、良質の材料の入手を努力するとともに、パルスレーザ照射による効率上昇と電子電流パルス化を試みる。

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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