研究課題
本年度は、(1)多層膜光学素子の設計・作製、(2)EUV光源システムの構築、(3)光学系の設計を行った。多層膜光学素子の試作と最適化では、平成12年度に理化学研究所内に導入された多層膜成膜装置を用いて試作をする予定であったが、他の研究プロジェクトとの装置のシェアリングの関係で、Mg2SiではなくNi/Tiを用いた多層膜の製作を行い、本目的の曲面多層膜を作製するための装置の制御技術の習得を行った。また、作製した多層膜は、平成12年度に理化学研究所内に導入されたX線多層膜構造解析装置を利用してX線での反射率を測定し、十分な反射特性を有することを確認した。EUV光源システムの構築では、モノクロメータを介して単色光を素子に入射するシステムを構築および改善を継続中である。EUVでの反射率評価試験では、まずHeII(304Å)に対する特性を確認する。その結果を素子作製に反映させていく。なお、本試験は平成14年度にも継続して行う。光学系の設計では、理研が保有している業界リーダーの光学シミュレーションソフトのCodeVとASAPをもちい収差補正、迷光評価等の光学系の最適化を継続中で、直入射光学系として、カセグレンタイプ、斜入射光学系としては、従来の多重型Wolter-II型の設計を進めている。また、Wolter-IIのタイプ4は、従来の多重型Wolter-II型に比較して、有効径を向上させることを確認した。来年度は、上記の基礎実験、計算を利用して、光学系のプロトタイプの構築を行いたいと思っている。
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