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2001 年度 実績報告書

植物硬組織の微量成分解析による生育環境の研究

研究課題

研究課題/領域番号 13874062
研究種目

萌芽的研究

研究機関東京大学

研究代表者

田賀井 篤平  東京大学, 総合研究博物館, 教授 (40011738)

研究分担者 大場 秀章  東京大学, 総合研究博物館, 教授 (20004450)
キーワードシュウ酸カルシウム / ベコニア / ほうれん草 / 液胞 / メンブレイチェンバ / X線蛍光分析
研究概要

植物中に見られる代表的な生体鉱物としてシュウ酸カルシウムが知られている。シュウ酸カルシウムには2種類が知られていて、その1は、シュウ酸カルシウム1水和物であり、他の1はシュウ酸カルシウム2水和物である。植物の種によって、シュウ酸カルシウム1水和物を含むもの、シュウ酸カルシウム2水和物を含むもの、あるいは両者を含むものがある。常温常圧ではシュウ酸カルシウム2水和物は不安定であり、安定なシュウ酸カルシウム1水和物に転位する。しかしながら、ある種の植物中ではシュウ酸カルシウム2水和物が安定に存在する。
本研究では、植物種によって異なったシュウ酸カルシウム1が生成されることに着目して、結晶成長の環境にどのような違いがあるかを研究した。この研究によって、植物細胞内の環境とそこに生成される結晶との対応を、分類学との対応で解析することが目的である。研究対象の植物に、ベコニア(シュウ酸カルシウム1水和物)とほうれん草(シュウ酸カルシウム2水和物)を選択し、その結晶の形態と、結晶を育成する液胞内の微量元素分布などについて、光学顕微鏡、走査型電子顕微鏡、X線粉末回折、X線蛍光分析、放射光X線蛍光分析を用いて実験した。
その結果、シュウ酸カルシウム結晶は液胞中のメンブレインチェンバーと呼ばれる鞘に覆われており、ベコニアとほうれん草における結晶周辺の液胞の組成や微量元素分布に差が見いだせないことから、メンブレインチェンバーが結晶選択のキーを握っていると判断した。放射光によるX線蛍光分析の結果からメンブレインチェンバーに3価の鉄イオンの選択性があることが見出された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] T.Takagi, et al.: "Catalogue of mineral specimens in the University Museum, the University of Tokyo Part1"Mat. Rep. Univ. Mus. Univ. Tokyo. 42. 1-315 (2001)

  • [文献書誌] P.N.Hui Li, et al.: "Striped dolphin detoxificayes mercury as insoluble Hg(S,Se)in the liver"Proc. Japan Acad.. 77,B9. 178-183 (2001)

  • [文献書誌] Akiyama, S., Ohba, H.: "Studies of Parnassia (Pamassiaceae) in the Sino-Himalayan region. Notes on Pamassia pusilla Wall. ex Arm. and P. chinensis Franch. in Nepal"Bull. Natm Sci. Mus.. B-27. 119-131 (2001)

  • [文献書誌] Fu, K.-T., Ohba, H.: "crassulacese"In : Wu, Z. -Y. and Raven, H. P. (eds. ), Flora of China. 8. 202-288 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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