研究概要 |
ベンゾポルフイリンやフタロシアニンのように平面性が高い共役拡張分子は,有機半導体としてエレクトロニクス分野への応用に興味がもたれている。しかし,これの分子は,溶解性が低くエレクトロニクスへの応用に可能な高純度のサンプルを合成することは困難である。この問題を解決する方法として,ビシクロ環が縮環したポルフィリンを用いことにより,前駆体が可溶化され,この段階で精製し純度の高いサンプルを得て,続いて加熱することにより高純度のベンゾポルフィリンの合成に成功した。また,逆Diels-Alder反応で脱離する部位に水酸基を導入することに成功し、水溶性の色素を加熱により顔料へ変換することにも成功した。このように,染料の顔料への変換の新手法の開発に成功した。この手法をフタロシアニンの合成にも応用して,予備的な実験であるが可溶化された前駆体の合成にも成功した。この方法により,高純度の共役拡張分子の合成が可能になり,エレクトロニクスへの応用として,電界効果トランジスタへの応用を検討した結果,塗布法により電界効果トランジスタを作成できた。
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