カボチャ子葉よりクロロプラストストロマ局在型アスコルビン酸ペルオキシダーゼのcDNAを単離した。そのcDNAは37アミノ酸からなるポリペプチドをコードしており、そのアミノ酸配列は先に単離したチラコイド膜結合型アスコルビン酸ペルオキシダーゼとC末端を除き完全に一致した。サザンプロット解析及びゲノム解析から、ストロマ及びチラコイド膜結合型アスコルビン酸ペルオキシダーゼのmRNAは1つの遺伝子からalternative splicingにより生じていることが判明した。また、イムノブロット解析から、両ペルオキシダーゼの発現量は光照射により大きく変動しており、このalternative splicingが光のよって影響を受けていることが明らかとなった。両ペルオキシダーゼの構造を比較したところ、チラコイド膜結合型酵素のC末端に70アミノ酸が付加されていること、その中に疎水性に富み、膜貫通領域と思われる配列が含まれていた。以上の結果から、チラコイド膜結合型アスコルビン酸ペルオキシダーゼのC末端70アミノ酸にチラコイド膜移行を担う配列が存在することが明らかとなった。
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