研究概要 |
1.Zr基金属ガラスの結晶化過程の測定(担当:秦) Zr基金属ガラスのバルク材を用いて引張試験を行い,ひずみおよび引張速度による結晶化度の違いをX線回折により測定した.測定の結果,ひずみによる結晶化の促進が確認され,引張速度によっても結晶化の速度が影響されることを確認し,さらに引張速度によっても,結晶化速度が変化する可能性を確認した. 2.結晶化防止・抑制方法の検討(担当:秦) 上記の実験結果を基に,Zr基金属ガラスの引張加工における結晶化を防止するためには,過冷却液体域の高温側(結晶化開始温度側)ですばやく変形させることが有効である事を,実験的に明らかとした. 3.高精度,極細径のマイクロプローブの試作(担当:秦) 試験温度733K,ひずみ速度2.O×10^<-1>s^<-1>において,最大ひずみ1, 700%を達成した.また,試験温度723K,ひずみ速度3.75×10^<-1>s^<-1>において,最小破断径27μmを達成した.さらに,あらかじめ機械加工およびエッチング加工により貫通穴を開けた試験片を引張加工することで,最小径50μm,長さ40mmのノズル形状の製作に成功した.また,ひずみ速度感受性指数m=1のニュートン粘性流動は,全ての試験温度において観察された.特にニュートン粘性流動は10^<-2>s^<-1>以上のひずみ速度領域で観察され,理想的な高速超塑性であることが明らかとなった. 4.研究のまとめ.(担当:全員) 研究結果を総括し,今後の課題を検討した結果,引張時に発生する流動痕跡やボイドの低減が必要であることが明らかとなった.
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