研究概要 |
天然ゼオライトに導電性を持たせる一つの手法として,当初はゼオライトへのITO薄膜の塗布を検討した.しかし,天然ゼオライトにより高い導電性とイオン吸着性を持たせるためには導電性粉末を混合する方法がより有効的であると考えられたため,今年度は天然ゼオライトに導電性粉末を混合した試料を作成しその特性を調べた.添加する粉末にはアルミ,銅,ニッケルなどの金属粉末とカーボン,グラファイトといった非金属粉末が考えられる.この中でカーボンは安価であり金属粉末のように熱での酸化による抵抗率の低下がない,化学的に比較的安定といった利点を持つ.そこで本研究では,カーボン粉末を選択し固相反応法により天然ゼオライトと混合させることで,導電性を持った天然ゼオライトを作製し,その抵抗率,イオン吸着性を測定した.その結果,天然ゼオライトに30wt%程度のカーボンを混合し焼成する事により,本来絶縁体である天然ゼオライトに導電性を持たせる事ができ,また,ゼオライトの特徴であるイオン吸着性も失われない事が明らかになった.
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