インターネットのWebとして提供されるコンテンツから画像情報を検索する際に、これまで考慮されていなかったWebページ間のハイパーリンクの情報を活用することを目指す、本年度は、Web上のリンク構造情報を効率よく取得するための方式の基盤的実装と、画像情報のリンク構造に着目したWeb情報空間での存在についての情報収集を行い、次のような成果を得た。 Webリンク空間の構造を取得するためには、従来はあらゆるWebコンテンツに対して実際にアクセスを行い、情報を取得しなければならなかった。しかし、情報量の小さなテキストであればそれほどの負担とはならないまでも、検索のために画像情報をすべて収集するのは非現実的である。そこで、リンク情報や画像の特徴量などをサーバ側で抽出、処理を行うモデルを提案し、これを実装しつつある。また、このシステムにおいて、ネットワークコンテンツ特有の統一的管理主体の不在や非同期的更新といった状況に対応するため、ハイパーリンクに対する論理接続を実現するために更新通知機構を実装した。 Web空間の画像情報を大量に収集している。これらの関係を統計的に解析する準備を行った。来年度はその特性を解析する予定である。 また、多様な感性をもとに行われる画像検索では、どの様な特徴量を重視するかということも重要な課題であり、従来よりもあいまいな特徴量間の優先順位程度でも全順序関係を確立できる減数的パレート順位を提案した。本方式は、人問の自然な選好関係を数学的に定義したものである。
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