研究概要 |
(1)モバイル環境におけるトランスポートプロトコルの性能改善 本サブテーマにおいては,IMT2000およびそれ以降の高速モバイルネットワークを対象として,データリンク層の情報をトランスポートプロトコルに伝える方式に関する研究を行った.IMT2000で用いられる通信方式の一つとしては,W-CDMAが3GPPにより規定されている.W-CDMAでは,伝送誤りが生じる無線リンクにおいて強力な誤り訂正技術を利用し,チャネル利用効率の向上をはかっており,このため誤り訂正符号化・複合化や再送を行うことにより有線環境と比較して伝送遅延が大きくなる.一方,これまでインターネットで広く用いられているトランスポートプロトコルであるTCPは,伝送誤りがほとんど生じない比較的広帯域・低遅延である有線網を想定しているため,高いフレームエラー率を持つ無線リンク上で通信を行う場合には,このTCPのフロー制御が有効に機能しない可能性がある.このような環境において,データリンク層とトランスポート層が連携する事により,受信端末のデータリンク層から得られる無線リンク状態に関する情報を利用したTCPのフロー制御手法について研究を行った. (2)QoS制御のための経路制御 QoS提供や網資源の最適化のために,複数のレイヤにおける情報を利用した場合における性能改善の可能性に関して,予備的調査を行った.
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