研究概要 |
ポテンシャルを特徴量誤差の2次形式を用いて適切に設定し,ポテンシャルの最小化問題として特徴ベースビジュアルサーボの定式化を行った.その結果,「軌遣計画(目標値生成)とフィードフォワード・フイードバックを一体化したモーションコントロール」としての定式化が可能となった. 従来の「特徴量偏差を状態とする状態フイードバック」は,特徴量誤差の2乗ノルムをポテンシャルとする状態空間における最急降下法であり,大域的安定化のためにはポテンシャルの大域的凸性が必要であった.しかし本研究において定式化された制御問題では,最適化の前に特徴量空間において経路計圃を行うため,経路に沿った局所的な凸性が保証されれば大域的安定となる. 具体的には以下の手法を開発した. ・特徴量空間における経路計函…特徴ベースビジュアルサーボ法においては,システムの参照入力として目標特徴量を与え,現在の特徴量が目標特徴量に収束するように制御する.しかし目標と現在の間に大きな差がある場合,それらを適切に補間することによって途中経路が指定できる.本研究では,注視対象物とカメラの聞の3次元関係を推定することなしに局所的な凸性が保証できる経路指定法を開発した. ・運動を利用したカメラの自己校正法と視覚サーボヘの応用…カメラが運動する際には,注視対象物上の各特徴点に対して基本方程式と呼ばれる幾何学的な関係式が成り立ち,それを利用することでカメラの自己校正を行う方法を提案した.この方法に基づいて,2次元の画像情報と3次元の位置情報を組み合わせることで大域的安定化が可能なビジュアルサーボ法を開発した.
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