研究課題/領域番号 |
13875106
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研究種目 |
萌芽的研究
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
平手 小太郎 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (70165182)
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研究分担者 |
佐久間 哲哉 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助教授 (80282995)
宗方 淳 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (80323517)
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キーワード | 高齢者福祉施設 / 環境評価 / キャプション評価法 / 碁石法 / 評価手法 |
研究概要 |
1)非参与型の『行動観察調査』:高齢者福祉施設の入居者の行動観察による予備的な調査および施設職員に対するヒアリングを行い、施設内の空間や設備の使われかたの傾向を把握した。 2)施設職員・入所者による『キャプション評価法』を用いた調査:調査対象者にカメラを渡し、気になった場風空間、部分(入所者にとってという視点)などがあれば撮影してもらい、撮影した写真に、要素、特徴、印象、判断などのキャプションを付すという『キャプション評価法』を用い、施設職員の高齢者福祉施設(養護老人ホーム)に対する評価と施設入所者である高齢者の評価(高齢者のキャプションは付き添った実験者が記録)を並行して行った。その結果、(1)「居室」「廊下」「施設周辺」・などにおいて職員と入所者の意識の差が見られる。(2)入所者から得られたキャプションには職員側から分からない不満や要望などが含まれていた。(3)職員は改善すべき点、入所者は自分の好きな場所を指定する傾向がある。(4)2人組にした入所者の評価を行ったところ、1人よりは話しやすくなったためか2倍以上のキャプションが得られた。(5)総じて、通常の調査では入所者の本音が引き出せない可能性が示された。 3)『碁石法(仮称)』の開発:2)の結果を受け、入所者の実態とその行動理由、施設に対するニーズを適切に把握するために、施設職員と共同で新たな調査手法『碁石法(仮称)』を開発した。方法として、(1)施設内の場所の写真を使用頻度によって分類、(2)個々の写真の正・負の評価に対する2種類のコインの布置(各最大3枚)、(3)それらの理由の質問、という手順を採用するに至った。
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