研究課題/領域番号 |
13875118
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研究種目 |
萌芽的研究
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
滝沢 博胤 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (90226960)
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研究分担者 |
上田 恭太 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (50271862)
遠藤 忠 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30176797)
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キーワード | マイクロ波照射 / ホウ素クラスター / 磁気的性質 / 電気的性質 / 電磁波プロセス / リートベルト解析 |
研究概要 |
本研究では、磁気秩序発現の新たなメカニズムとして、「電磁波照射によるクラスターを介在した3d電子間の相互作用の誘起」を提案し、低濃度の磁性原子をドープしたホウ素クラスター化合物における強磁性発現を目指すとともに、高強度の交番電磁場(マイクロ波電磁場)を反応場とした新規な磁性材料プロセッシングの構築を目的とした。 β-菱面体晶ホウ素粉末は28GHzのマイクロ波を強く吸収し、数分間のマイクロ波照射により1500℃以上に発熱する。この現象の利用により、マイクロ波照射下で種々の遷移金属元素を微量に含むホウ素クラスター化合物の合成に成功した。反応は短時間のマイクロ波照射により完了し、X線回折データのリートベルト解析の結果、β-菱面体晶ホウ素の格子内空隙サイトに遷移金属原子が分布していることが明らかとなった。マイクロ波交番電磁界による母格子の揺さふりが、微量元素の導入に有効に作用したと考えられる。 鉄をドープした試料では、マイクロ波照射によって強磁性的挙動を示すものが認められた。同組成の試料を電気炉を用いた通常の加熱法で合成したところ、このような強磁性発現は認められなかったことから、電磁波照射によって強磁性的な磁気秩序構造が誘起されたものと推測される。 得られたホウ素クラスター化合物(鉄ドープ)は半導体性を示し、その電気伝導度は鉄ドープ量の増加とともに増大した。マイクロ波合成では、従来の合成法に比べて高濃度にドーピングできる可能性があり、電子物性の観点からも本プロセスの有効性が見出された。また、ホウ素化合物のように生成温度の高い物質の合成手法として、マイクロ波照射プロセスが極めて有効であることが示された。
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