研究概要 |
(1)-表面平坦ダイヤモンド薄膜成長用基板の原子レベル表面超平坦化- 良質の大型酸化物単結晶が得られ易いサファイア(α-A12O3)を基板として取り上げ、適当な雰囲気中で高温アニール処理を施して、原子レベル超平坦化の有無を原子間力顕微鏡を用いて囲べた。 (2)-ダイヤモンド薄膜作製用パルスレーザーエピタキシー成膜装置の作製- 従来のダイヤモンド薄腹作製に利用されてきたCVD法やスパッタ法とは違い、ダイヤモンドの核形成機構を根本的に変えるために、本研究ではカーボン原料種のパルス的供給が可能な、パルスレーザーアブレーションを利用した成膜装置を、既存の成膜装置に改良を加えて作製した。パルスレーザーエピタキシー法により、紫外線レーザーを固体ターゲットに照射して薄膜原料を飛ばしエピタキシャル(単結晶)薄膜を堆積した。 (3)-サファイア基板上へのダイヤモンド薄膜成長- ターゲットには、高純度グラファイトおよび、よりダイヤモンド核形成を促進するために、Ni,やFeを混入したグラファイトを用いた。レーザーとしては、紫外光エキシマレーザー(既存、装置)を利用した。原子レベルで平坦なサファイア基板上に、グラファイトをターゲットとしたパルスレーザーアブレーションにより、600℃以下の低温においてダイヤモンド薄膜成長を行い、最適な酸素圧力、基板温度、基板一ターゲット間距離、レーザー周波数の条件を探った。 (4)-酸素中でのグラファイトアブレーション過程の分光学的研究- 酸素中でのグラファイトレーザーアブレーションにより生じる発光柱(ブルーム)の分光学的研究を行った。即ち、ブルームの時間分解、および位置分解の発光分光測定を行い、ダイヤモンド結晶成長に及ぼす酸素分圧の影響を定量的に調べた。
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