研究課題/領域番号 |
13875121
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研究種目 |
萌芽的研究
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研究機関 | 東京商船大学 |
研究代表者 |
和泉 充 東京商船大学, 商船学部, 教授 (50159802)
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研究分担者 |
柳沢 修実 弓削商船高等専門学校, 助手 (00332081)
井田 徹哉 東京商船大学, 理化学研究所・半導体工学研究室, 協力研究員
大貫 等 東京商船大学, 商船学部, 助手 (60223898)
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キーワード | 赤外線センサー / クロム酸化物 / ペロブスカイト / スピネル / マンガン酸化物 / 機能性酸化物 |
研究概要 |
近赤外線敏感な電磁気的また機械的機能を探索するために、まずニッケルとマンガンのスピネル型化合物について物質合成を行った。その結果、X線構造解析の結果からスピネル型の良質の試料を得た。この粉末試料について電子スピン共鳴によって磁性の研究を行った。その結果、低温で、フェリ磁性的振る舞いを観測した。これより、分子場近似のモデルによってニッケル、マンガンのサイトの熱力学的な磁化の期待値の温度変化を計算して実験とよく一致する結果を得た。この結果にもとづいて光照射による磁極の反転などなんらかの光照射による機能創出の可能性を検討した。ニッケルのスピンとマンガンのスピンの組み合わせからは、磁気相における光やなんらかの外場によって磁極の反転を引き起こすことは困難であることがわかった。実際に、光照射実験によってもこの結論は支持された。さらに物質探索を行って、ランタンとプラセオジウムからなるクロム化合物がペロブスカイト型化合物をとり、光敏感な磁性創出に適した傾角反強磁性転移を室温で示すという報告を見つけた。これの良質の試料を作成して、室温で近赤外線照射下で電子スピン共鳴を測定したところネール温度260K付近で非常に顕著な光照射下でのスピン吸収信号の増大を発見した。その特性は照射光強度に比例しており、実用材料となる可能性がある。この結果について次年度に詳細な研究と薄膜化による機能の尖鋭化を試みる予定である。
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