研究課題/領域番号 |
13875127
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研究種目 |
萌芽的研究
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
出来 成人 神戸大学, 工学部, 教授 (10101065)
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研究分担者 |
水畑 穣 神戸大学, 工学部, 助手 (10283871)
梶並 昭彦 神戸大学, 工学部, 助手 (10169443)
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キーワード | 金・コバルト超微粒子 / ポリアクリロニトリル / ベガード則 / 磁気抵抗 |
研究概要 |
本研究にて目的とする合金超微粒子の合成方法を確立するために、バルクの相図では典型的な2相分離系であるAu/Co系について、微粒化に伴う相互溶解度の変化、および得られた合金粒子の結構構造の組成依存性に関して検討を行った。予めマトリクスとなるポリアクリロニトリル(PAN)を基板上に50nm蒸着した後、AuとCoを独立した2つの蒸着源を用いて真空蒸着を行い、その上にさらにPANを50nm蒸着し、サンドイッチ型の積層体を作製した。得られた薄膜は窒素雰囲気下において100℃から600℃、1時間加熱処理を行った。電子線回折パターンより、いずれの組成の試料においても加熱処理前後とも粒子の結晶構造は面心立方構造(fcc)である事が明らかとなった。各組成において得られたナノ粒子の加熱処理前後での格子定数の変化を表にまとめた。加熱処理前では、Co組成が多くなるに従い格子定数は若干減少する傾向を示したが、いずれの組成においてもAuの格子定数(4.079Å)に近い値であった。これに対し、600℃での加熱処理後の試料では、合金粒子の格子定数に関して、それぞれ純成分の格子定数の組成平均で表されるVegard則から予想される値に近づいた。以上より、蒸着直後の合金粒子は熱力学的に準安定状態にあり、加熱処理に伴い微粒子内の内部応力が開放され、熱力学的に安定な構造へと変化したと考えられる。なお、Au : Co=2:8にて担持したPANの場合に最大磁気抵抗比は約80%となることが認められた。
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