研究課題/領域番号 |
13875138
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
杉村 博之 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (10293656)
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研究分担者 |
井上 泰志 名古屋大学, 環境量子リサイクル研究センター, 助教授 (10252264)
高井 治 名古屋大学, 理工科学総合研究センター, 教授 (40110712)
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キーワード | 自己組織化 / ナノ薄膜 / アミノシラン / リン酸ジルコニウム / 防食 |
研究概要 |
アルミニウム合金基板上へ、気相法によりアミノシラン自己組織化ナノ分子膜を形成し、さらにその上に、有機リン酸分子単分子層-ジルコニア単分子層の交互吸着膜を形成した。アミノシラン分子膜は、成長溶液中では正に帯電するため、負イオンである有機リン酸分子が静電的に吸着する。2官能有機リン酸分子を使用することで、有機リン酸分子吸着表面は負に帯電する。そこへさらに、ジルコニウム正イオンを吸着させることで、リン酸-ジルコニア交互吸着膜が形成される。リン酸分子吸着-ジルコニア吸着を繰り返すことによって多層膜が形成される。3組の交互積層膜を作製し、設計通りの多層膜ができていることを、接触角測定からの表面エネルギーの導出、偏光解析法による膜厚測定、角度分解X線光電子分光法による表面官能基密度の測定、低角X線回折法による構造評価に加え、高感度赤外反射吸収分光法による、ナノ分子膜の赤外吸収スペクトルの入射角および偏光角に対する依存性測定等の、測定結果を多角的に解析することで、確認した。この3組交互多層膜の膜厚は10nm以下である。 3組-交互多層膜の耐食性を塩水噴霧試験によって評価した。従来の化成処理被膜が2時間の耐久性しかないのに対し、交互多層膜は10nm以下という超薄膜であるにもかかわらず、48時間以上の耐久性を示し、実用性があることがわかった。
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