平滑銅版の一面をレジストでコーティングした後、べーキングし、片面をアルミナ微粒子で研磨した後、脱脂、活性化処理した後、これをカソードとし、同サイズのPt板をアノードとして、Pd薄膜を電解析出させた。次に、Pdを被覆した銅板の裏面にフォトリソグラフィーの手法でマイクロスリットパターンを形成し、これをアノードとする。白金板をカソードとして硫酸水溶液中で、パラジウム層に到達するまで銅の電解エッチングを行い、径100ミクロンの貫通孔を開けることで基材を多孔化して、数ミクロンの膜厚を持つパラジウムマイクロメンブレンを作製した。膜作成条件に及ぼす電解液組成、電解温度、電流値の最適化を行い、無欠陥のパラジウム膜を得た。 得られたパラジウム膜について水素、窒素およびアルゴンの単成分透過実験を行った結果、水素は透過するが、窒素とアルゴンの透過は確認できなかった。 今後は、緻密膜であるパラジウム膜以外に、同様の手法を用いてマイクロシリカ膜あるいはマイクロゼオライト膜を創製し、これをマイクロリアクターと組み合わせることでマイクロメンブレンリアクターとして気体透過実験に加えて、反応・分離実験を行う。
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