規則的なナノ構造を有する高表面積半導体酸化物触媒の開発と水の光分解

2001 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 13875154
• 研究種目: 萌芽的研究
• 研究機関: 神奈川大学
• 研究代表者: 内藤 周弌 神奈川大学, 工学部, 教授 (20011710)
• 研究分担者: 宮尾 敏広 神奈川大学, 工学部, 助手 (90312090)
• キーワード: 光触媒 / ナノサイズ / 超微粒子 / チタニア / ナノチューブ

研究概要

半導体酸化物触媒の光触媒活性は、その結晶性や粒子径等によって大きく変化することが知られている。したがって、それらの構造と触媒活性の関係を解明することができれば新規な触媒を設計する指針を得ることが可能となる。そこで本研究では、種々の有機・無機テンプレートを用いてナノメーターオーダーの構造の異なる半導体酸化物を合成し、その規則的な構造と光触媒活性の関係を明らかにすることを目的とした。具体的には貴金属を内包した金属酸化物ナノチューブや、層状構造を有する金属酸化物、および逆ミセル法を用いた貴金属を内包した金属酸化物超微粒子等の、規則的な微細構造を有する金属酸化物を調製し光触媒特性の検討を行う。
本年度は、まず貴金属内包型の酸化物ナノチューブの調製条件を検討した。ナノチューブのテンプレートとなる針状構造を有する白金アンミン錯体の再結晶条件の検討を行い、生成する針状結晶のサイズの制御因子を明らかとした。この再結晶した白金アンミン錯体上でシリコンアルコキシドの加水分解を行ったところ、内径10nm以下の直管状の細孔を有する白金-シリカナノチューブの調製に成功した。また、アルミナやバナジア、シリカアルミナ、チタニア等の金属酸化物を用いたナノチューブの合成検討を行った。各金属アルコキシドの加水分解条件を検討し、加水分解速度を加水分解温度で適宜調節したところ、アルミナ、シリカアルミナおよびチタニアナノチューブの調製に成功した。

研究成果

• [文献書誌] S.Naito, M.Iwahashi, I.Kawakami, T.Miyao: "Marked Particle Size and Support Effect of Pd Catalysts upon the Direct Decomposition of Nitric Oxide"Catalysis Today. (in press).
• [文献書誌] S.Naito, T.Tanibe, E.Saito, W.Mori, T.Miyao: "A Novel Reaction Pathway in Olefin-Deuterium Exchange Reaction inside the Micropores of Rh(II) Dicarboxylate Polymer Complexes"Chem. Letts.. 1178-1179 (2001)
• [文献書誌] S.Naito, T.Kasahara, T.Miyao: "Transformation of Methane Formation Sites into Methanol Formation Ones during CO-H_2 reaction over Pd/CeO_2 in its SMSI State"Catalysis Today. (in press).
• [文献書誌] T.Miyao, T.Sawaura, S.Naito: "Preparation of Silica-Alumina Ultra fine Particles Possessing Nano pore Structure by Means of Reversed Micelle Technique"J. of Material Science Letts.. (in press).
• [文献書誌] T.Miyao, M.Kitai, T.Ogita, S.Naito: "Generation of New Acidic Sites by Dispersing Zinc Oxide Fine Particles on Silica"Zeitschrift fur Physitalische Chemie. (in press).
• [文献書誌] 宮尾敏広, 内藤周弌: "ナノ構造を有する無機多孔質化合物の合成と触媒としての利用"神奈川大学工学研究所 所報. No.24. 112-116 (2001)