研究概要 |
本研究では、Rhizoctonia solani AG2-2に属する菌株の保持するミトコンドリア内在性プラスミドpRS224のコードするタンパク質RS224が、既知のタンパク質と相同性を全く示さず、また相互に相同性がないことから、その機能の解明を目的にpRS224の構造解析およびRS224の逆転写酵素活性測定を試みた。本プラスミドから4.7kb, 7.4kbの転写産物が確認され、4.7kbの転写産物は1538番目の(DDBJ, EMBL, GenBank : 登録番号AB035862)のチミンから転写が開始され相補鎖へと転写されていることが明らかとなった。4.7kb,7.4kbの転写産物の上流域にプロモーターのコンセンサス配列が認められた。pRS224上に予測されたORFは2664bpからなり、4.7kb, 7.4kbの転写産物の双方をコードしていると考えられてきた。本研究から、4.7kbの転写産物は、転写開始点が予想ORF領域に含まれていたことから、1810番目のATGからタンパク質が翻訳されていることが示唆された。また、これらのタンパク質をコードする遺伝子配列上に逆転写酵素の保存領域とされる7つの領域に類似する配列が確認されたことから、RS224の逆転写酵素活性の活性測定を行い、活性を認めた。
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