研究概要 |
平成13年度計画として提案した新たな実験システムはまだ完成していない。既存の蛍光灯照明による計測実験を継続してデータ解析を進めると共に,LEDパネルの仕様や光信号の制御方法について検討作業を進めている。 1)新たな実験:光の強度をランダムに変化する予備実験,及び同時に複数の葉面電位を長期間計測する予備実験を行い,LEDパネルにより発生させる光信号の周期やデューティ比及び複数葉面へのスポット照射の実験計画を策定した。 2)データ解析:葉面電位パターンの変化をスペクトル解析及び相空間表示(ポアンカレー写像)によって解析した。 3)実験システムの再構成:LEDパネルを利用した単波長光を光ファイバー利用により複数葉面にスポット照射できるシステムの設計を進めている。当初の予定では,植物体全体に光を照射する実験システムの構成であったが,複数の葉同士のコミュニケーションの可能性も検証できる構成に変更したいため,実験システムの再構成を構想中である。 新たに得られた知見としては 1)周期的な光刺激を与え続けると,葉面電位の相空間パターンが複雑なトラジェクトリから周期的で規則的なトラジェクトリヘひく込まれるような様相を示す事実を確認した。詳細については解析中である。 2)一つの植物体で2枚の個葉の葉面電位を同時に計測すると,その周期性が同期する場合と逆位相になる場合が観測された。逆位相とは葉先方向に対する電位差が互いに逆転する現象である。詳細については検討中である。
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