研究課題/領域番号 |
13876070
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研究種目 |
萌芽的研究
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研究機関 | 帯広畜産大学 |
研究代表者 |
宮原 和郎 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (00133801)
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研究分担者 |
鈴木 三義 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (60003141)
石黒 直隆 帯広畜産大学, 畜産学部, 助教授 (00109521)
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キーワード | 犬 / ミトコンドリアDNA / ハプロタイプ / 遺伝性疾患 / 母系効果 / 系統解析 / 疾患例 |
研究概要 |
ミトコンドリアDNA(mtDNA)は、同一哺乳動物種の集団内または近縁の動物種間における遺伝的近縁関係をする指標として用いられている(Wayne et al., 1991)。本年度の研究においては、本学家畜病院および帯広市内の開業動物病院に来院したさまざまな疾患を有する犬の品質・系統の母系効果の影響をミトコンドリアDNA(mtDNA)のパプロタイプを用いて明らかにするため、365頭の犬からmtDNAのDループの600塩基対を増幅し、その塩基配列を決定すると共に、抽出したmtDNAを用いて系統樹を作製し、それらのイヌから聴取した固体情報を主成分とした判別分析を行い、イヌの系統と特定の疾患の発症との間に関連性がみられるかどうかを検索した。 母系遺伝を示すmtDNAのハプロタイプの系統解析により得られた系統樹からは、既に報告されている通り、遺伝的近縁関係の深い4クラスターに分類された。また、ハプロタイプの分類は必ずしも犬種による分類と一致せず、犬種によって系統樹上の分布が異なり、今回新たに発見した46種を含む64種のパプロタイプによる分類からは、複数の遺伝子集団から個体数を増やしたと推察される犬種(シーズー、ゴールデン・レトリバー、マルチーズなど)と、ごく少数の固体または遺伝子集団から構築されたことを示唆させる犬種(キャパリア・キング・チャールズ・スパニエル、シェットランド・シープドッグ、ポメラニアンなど)に分類された。 遺伝的系統と疾患との関連性を調べる目的で、特に症例数の多かった皮膚疾患と乳腺腫瘍について判別分析を行った。その結果、皮膚疾患および乳腺腫瘍のいずれにおいてもハプロタイプの疾患への影響については明確に示されなかった。ステップワイズ法では、ハプロタイプが疾患と関係していることが示唆されたが、疾患犬の分別までにはいたらなかった。今回は帯広近郊で飼養されているイヌから採取されたサンプルについて検討したが、今後更に例数を増やすと共に他地域で飼養されている犬のサンプルについても検索し、今回の成績と比較すると共に、さらに特定の犬種のハプロタイプと疾患との関連性について解析を行う予定である。
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