1.濁水浄化活性の評価法:微粒子酸性白土の懸濁液に検定液を添加した後、懸濁液の透過度(O.D600nm)を測定した。この測定値から、微粒子酸性白土を用いた濁水浄化活性を評価した。 2.活性成分の抽出条件の検討:インドから入手したワサビノキ(Moringa oleifera在来種)種子から濁水浄化に関わる活性成分を抽出するための条件を検討した。その結果、アセトンおよびクロロフォルムに対して安定であり、脱脂操作が可能となった。活性成分の抽出は塩類存在の緩衝液で容易に抽出され、タンパク分解酵素により濁水浄化活性が失活した。この結果から、活性成分は種子に含まれるタンパク質であることが確認された。 3.活性タンパクの精製と性状:イオン交換クロマトグラフィーで分画すると、2つの活性ピーク(MO-1、MO-2)が検出された。これら活性画分を電気泳動で分析したとき、MO-1画分の分子量は還元条件では8KDa、非還元条件では16KDaであった。一方、MO-2画分は、還元条件では7KDaと8KDa、非還元条件では16KDaであった。更に、逆相クロマトグラフィーで再分画したMO-1-1、MO-1-2、MO-2-1、MO-2-2画分について、アミノ酸組成を分析した。それぞれの画分で幾分アミノ酸の組成比が異なっていたが、これら4画分の主要なアミノ酸はGluとArgであり、それらの含量はGluでは24〜28%、Argでは14〜18%であった。これらの結果から、活性タンパクは2量化した多型ペプチドであることが明らかになった。
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