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2001 年度 実績報告書

PEDFによる血管新生阻害機構の分子病理学的解析と治療への応用

研究課題

研究課題/領域番号 13877028
研究種目

萌芽的研究

研究機関九州大学

研究代表者

居石 克夫  九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (70108710)

研究分担者 中川 和憲  九州大学, 大学院・医学研究院, 講師 (50217668)
米満 吉和  九州大学, 医学部・附属病院, 助手 (40315065)
石橋 達朗  九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (30150428)
キーワードPEDF / 神経保護作用 / SIV-PEDF / 網膜色素変性症 / 遺伝子治療 / アポトーシス / 血管新生
研究概要

1.色素上皮細胞由来因子(pigmented epithelium-derived factor, PEDF)の生物学的特性:色素上皮細胞、SeV-PEDF導入各種培養細胞、Northern blotならびにペプチド抗体を用いたWestern blotなどの検討結果より以下の結果を得ている。
1)各種培養内皮細胞の増殖抑制、アポトーシス誘導、遊走・管腔形成抑制効果については、再現性のある結果を得ていない。即ち、PEDFの血管新生抑制効果は血管内皮細胞への直接効果による可能性は少なく、平滑筋(周皮)細胞などとの血管新生過程における協調性を阻害している可能性を残す。現在、in vivo血管新生過程に与えるPEDFの影響を検討中である。
2)神経細胞保護効果に関する検討:
(1)SIVベクターによる網膜下遺伝子導入の生物学的特性は、(1)主な標的細胞は色素上皮細胞であること、(2)標的遺伝子の発現持続は1年以上可能であること、(3)最大発現効率はSeVのそれに劣ること、(4)網膜電気グラムによる障害判定結果より、急・慢性期障害は軽微であることなどが確認された・以上の結果より、SIVベクターは、網膜色素上皮細胞を標的とした網膜下遺伝子導入ベクターとして有効であることが証明された。
(2)SlV-PEDFによる視細胞保護効果:網膜色素変性動物モデル(RCSラット)の網膜下にSIV-PEDFを導入することにより、視細胞脱落、網膜グリオーシス、色素上皮細胞脱落、網膜下血管新生が明らかに軽減された。現在、培養視細胞・色素上皮細胞系を用いて、PEDFの視細胞アポトーシス抑制効果ならびにその作用機構について検討中である。
2.各種病態におけるPEDFの病理学的意義:
現在、mRNA発現をヒト癌組織、網膜病変について検討中である。またSIV-PEDFの抗炎症効果についても関節リウマチ動物モデルを用いて検討中である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Nakashima Y, et al.: "Distributions of diffuse intimal thickening in human coronary arteries : preferential expression in atherosclerosis-prone arteries from an early stage"Virchows Arch. (in press).

  • [文献書誌] Ikeda Y, et al.: "Recombinant Sendai virus-mediated gene transfer to the retinal tissue of adult rats : efficient gene transfer by brief exposure"Exp Eye Res. (in press).

  • [文献書誌] Yonemitsu Y, et al.: "Gene Therapy in Vascular Surgery Comes of Age"Surgery. 131. S261-S268 (2002)

  • [文献書誌] Yamashita A, et al.: "Fibroblast growth factor-2 determines severity of joint disease in adjuvant-induced arthritis in rats"J Immunol. 168. 450-457 (2002)

  • [文献書誌] Masaki I, et at.: "Recombinant Sendai virus-mediated gene transfer to vasculature : a new class of efficient gene transfer vector to the vascular system"FASEB J. 15. 1294-1296 (2001)

  • [文献書誌] Ishibashi H, et al.: "Sp1 decoy transfected to carcinoma cells suppresses the expression of vascular endothelial growth factor, transforming growth factor β 1, and tissue factor and also cell growth and invasion activities"Cancer Res. 60. 6531-6536 (2000)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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