研究課題/領域番号 |
13877051
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
王 培玉 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 助手 (10283201)
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研究分担者 |
大村 実 九州大学, 大学院・医学研究科, 助手 (50243936)
白井 智之 名古屋市立大学, 医学部, 教授 (60080066)
久保田 健夫 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 教授 (70293511)
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キーワード | 前立腺ガン / PhIP / 牛乳 / Estrogen |
研究概要 |
1)精製飼料の調整:実験群は牛乳と飼料を混じて与えている。その飼料は、蛋白質としてリジン・スレオニン・バリンを強化したグルテン、脂肪としてオリーブ油とコーン油、糖質としてコーンスターチを用いた粉末精製飼料である。「精製飼料+牛乳(25mL/day)」による蛋白質、脂肪、糖質の摂取比がそれぞれ15、25、60%になるように精製飼料を調整している。対照群に与える飼料には上記の精製飼料に飲用牛乳量の蛋白質と脂肪に相当するリジン・スレオニン・バリンを強化したグルテン(蛋白質)とヤシ油を加える。 2)動物の飼育、前立腺特異的発がん物質PhIPの投与及び定期的測定:6週齢の雄性F344ラットからなる実験群および対照群に0、100mg/kgのPhIPを2回/週、15週間与えた。そして、実験群、対照群を「牛乳+精製飼料」、「水+精製飼料」で飼育した。毎週1回、体重、牛乳、飼料の摂取量を測定していた。 3)実験を終了し、発ガン情況の形態観察:PhIP投与開始60週になる時点で剖検した。全生殖器官を肉眼的に観察するととともに単離してその重量を測定した。ミルク+PhIP群における前立腺の重量が対照群より有意に低かった。そのほかの生殖器官の重量が各群の間に有意差が見られなかった。各組織を10%の緩衝ホルマリン溶液で固定し、HEで染色して、切片を光顕的に観察した。Atrophic changes(がん前変化)はミルク+PhIP群のはうが対照群より明らかに多かった。Carcinogenesisの数と発生率には、ミルク+PhIP群が多いが、対照群と比べて有意差が認めなかった。本研究でミルクがPhIPによる前立腺の発がんのプロモーションする作用が見られたが、さらなる研究が必要である。疫学の研究でミルクに含まれているEstrogenが前立腺がんとの相関を見られた。
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