研究課題/領域番号 |
13877074
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研究種目 |
萌芽的研究
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
今井 浩三 札幌医科大学, 医学部, 教授 (60117603)
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研究分担者 |
安達 正晃 札幌医科大学, 医学部, 助教授 (70240926)
遠藤 高夫 札幌医科大学, 医学部, 助教授 (40191928)
佐々木 茂 札幌医科大学, 医学部, 助手 (10305229)
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キーワード | ErbB-2 / モノクローナル抗体 / アポトーシス / シグナル伝達機構 / 分子標的治療 |
研究概要 |
ユニークなモノクローナル抗体CH401のアポトーシス誘導におけるシグナル伝達機構を明らかにしようとした。すなわち、アポトーシスへのシグナル伝達機構において、caspaseは中心的な制御因子として位置づけられている。さらに、caspaseの経路に関しても種々のdeath domainを介する経路、ミトコンドリアから放出されるcytochrome cを介する経路が知られている。本研究では、このcaspaseを介する経路が関与しているのかどうか、また、その場合どのcaspaseを介するのかについて検討した。その結果、caspase 8とcaspase 3が関与していることを明らかにした。さらに、最近アポトーシスに関与するストレス応答MAPkinase経路(JNK/p38)の存在が注目を集め、われわれも研究を進めているが、このErbB-2を介したアポトーシスにおいて、JNKおよびp38の活性化が関与していることも明らかにできた。すなわち、本モノクローナル抗体は、AktおよびERKを抑制すると同時に、JNK、p38を活性化することによりcaspase 8、3を介してアポトーシスを誘導していた。 これらを明らかにすることはErbB-2のこれまで知られた機能に加えて、新しい機能を分子レベルで明らかにするという独創性があり、さらにこのモノクローナル抗体CH401を用いた抗体療法あるいはペプチド治療の新しい有用性を示すことになると考えられる。
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