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2001 年度 実績報告書

血管炎発症モデルにおけるCX_3C-ケモカイン,fractalkineの関与

研究課題

研究課題/領域番号 13877075
研究種目

萌芽的研究

研究機関京都大学

研究代表者

梅原 久範  京都大学, 医学研究科, 助教授 (70247881)

研究分担者 堂前 尚親  大阪歯科大学, 歯学部, 教授 (60115889)
今井 俊夫  カン研究所, 所長(研究員)
三森 経世  京都大学, 医学研究科, 教授 (10157589)
キーワード血管炎 / fractalkine / モデルマウス / ケモカイン / 血管内皮細胞
研究概要

fractalkineは活性化血管内皮細胞上に発現する膜型ケモカインである.我々はfractalkine receptor (CX3CR1)を世界に先駆けて同定し,CD14+単球,CD16+NK細胞,CD8+T細胞上に発現していること,およびfractalkineが従来のケモカインと異なり接着分子として作用することを報告した(Imai, Cell 91:521-530,1997).今年度は,LPS投与によるマウス血管炎モデルあるいはMRL/lprマウスにおける抗fractalkineによる血管炎予防効果を検討するための基礎的検討を行った.単球やNK細胞と血管内皮細胞との接着や内皮傷害におけるfractalkineの関与を検討した結果,1)可溶型fractalkineは単球のfibonectinやICAM-1に対する接着をも増強した.2)ECV細胞株にfractalkine遺伝子を導入したtransfectantを作成し,単球やNK細胞との接着を検討したところ,細胞膜上に発現したfractalkineが有意に細胞接着を増強することを認めた.さらに,fractalkineのNK細胞活性化効果を検討したところ,3)fractalkineは濃度依存性にNK細胞の抗腫瘍細胞殺傷能を増強した.4)この作用増強は,NK細胞からの顆粒放出増強によることが明らかとなった.5)実際に,fractalkine発現ECV細胞やヒト胎児血管内皮細胞を標的細胞とした実験系により,NK細胞がfractalkine発現血管内皮細胞を著明に傷害することを見いだした.この結果は,炎症に伴い,産生されたサイトカインにより活性化した血管内皮細胞がfractalkineを発現し,単球やNK細胞の接着を誘導し,自身が傷害されていることを強く示唆するものと考えられた.

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Umehara, H.: "Fractalkine and vascular injury"Trends Immunol.. 22. 602-607 (2001)

  • [文献書誌] Umehara. H.: "Fractalkine, a CX3C-chemokine, functions predominantly as an adhesion molecule in monocytic cell line THP-1"Immunol. Cell Biol.. 79. 298-302 (2001)

  • [文献書誌] Umehara, H.: "The role of fractalkine in leukocyte adhesion and migration, and vascular injury"Drug News & Perspectives. 14. 460-464 (2001)

  • [文献書誌] Umehara, H.: "Role for adapter proteins in costimulatory signals of CD2 and IL-2 on NK cell activation"Mol. Immunol.. 38. 587-596 (2001)

  • [文献書誌] 梅原久範: "フラクタルカインの基礎と臨床"臨床免疫. 35. 353-359 (2001)

  • [文献書誌] 梅原久範: "フラクタルカイン"臨床検査. 45. 73-76 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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