HoxA5、hMLH1遺伝子を含めてゲノムワイドなメチル化異常(CpG island methylator phenotype ; CIMP)とマイクロサテライト不安定性(misrosatellite instability ; MSI)の関連に注目し、胃・大腸癌組織におけるMSIを検討した。胃癌の13%、大腸癌の12%にHigh-frequency MSI(MSI-H)を検出し、胃では前庭部、大腸では右側結腸との相関を明らかにした。 CIMPの有無を明らかにするために、hMLH1、p16^<INK4A>、MGMT、thrombospondin-1、RAR-β、APC、p14^<AHF>遺伝子のメチル化を、Methylation-specific PCRを用いて検討したところ、MSI-H大腸癌の53%、MSS大腸癌の15%がCIMP陽性で、前者に有意にCIMP陽性の頻度が高いことを明らかにした、現在、CIMP及びそれぞれの遺伝子のメチル化と癌発生部位、MSI-Hとの関連を解析中である。 また、大腸癌組織よりRNAを抽出し、RT-PCRを用いて、Hox遺伝子群の発現を検討したところ、隣接非癌組織に比べて、癌組織において亢進している遺伝子として、HoxB6、B8、C8及びC9、発現が低下している遺伝子としてCdx1を明らかにした。 現在、メチル化の異常を検索すると共に、癌発生部位、MSI-Hとの関連や前癌病変である腺種における発現を検討中である。
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