研究課題
萌芽的研究
ADAMファミリーのうち、ADM-10とADAM-17はαセクレターゼ機能を持つことが知られているが、ADAMTSが同様な機能を持つか検討してきた。まず、基礎的実験としてADAMTS-1はその遺伝子発現がリポポリサツカライド刺激により、各臓器において発現が上昇することから炎症において何らかの役割を持つことが示唆されている。そこで、ラット実験的心筋梗塞モデルを用いてADAMTS-1の発現形式をノーザンプロツト法にて検討した。ADAMTS-1は非梗塞心臓では弱い発現しか認めなかったが、梗塞心においては、梗塞後6時間でその発現が大きく上昇していた。マウス脳におけるADAMTSの発現をADAMTS-1〜7において検討したが、いずれもそれほど強くなかった。海外共同研究として、アミロイド前駆体蛋白を強制発現し、恒常的に発現する細胞株を樹立している、アラバマ大学Dr.Fukuchiらと共同実験を開始した。同細胞株は、通常の神経系細胞よりも過剰にアミロイド前駆体蛋白を発現している。これまでの検討によって過剰なアミロイド蛋白前駆体が細胞表面及び培養上清中に存在することが確認された。この実験系において過剰なアミロイド前駆体の切断がαセクレターゼによって制御されているかどうかを検討する目的でこの細胞系におけるαセクレターゼ発現の検討を開始した。実験の条件検討が複雑であったが条件設定が終了し現在、遺伝子発現レベルを検討しているところである。この発現を確認した後に、強制的にADAM-TSを遺伝子導入する予定である。陽性コントロールとしてADAM-17を用いる。陰性コントロールとしてはMocベクターを使用する予定である。
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