研究概要 |
本研究は、年々増加している小児期、思春期の心身症患者について、その病態の一端を明らかにし医学的対応の手掛かりを得るために、身体症状の病態を分子遺伝学的な側面から検討することを目的に行う研究である。 まず、当大学医学部倫理委員会に本研究の計画書を提出し、研究遂行の承認を得た。また、Serotonin Transporter(5-HTT)遺伝子の発現を調節するPromoter領域のPolymorphism(5-HTT-linked polymorphic region;5-HTTLPR)について、KP Leschらの報告(science274;1527,1996)に基づいてヒト末梢血白血球よりgenomic DNA抽出し、5-HTT-linked polymorphic region(5-HTTLPR)をPCR法にて増幅する手技を確立した。 現在、摂食障害や睡眠障害、不安、うつ症状などを訴えて受診する患者についてインフォームド・コンセントを得た上で検体の提供を依頼し、上記の遺伝子的解析を行っており、対象者を集積中である。 また同時に、5-HTTLPRと身体症状や自律神経機能との関連を解析するために、対象者の生体リズム、自律神経機能についても解析を行っている。さらにストレス時の糖代謝の異常とも関連が考えられるため、経口ブドウ糖負荷試験も実施中である。
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