研究分担者 |
上出 康二 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (50176608)
塩谷 昭子 和歌山大学, 保健管理センター, 助教授 (80275354)
大島 章 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (00025644)
櫻根 幹久 和歌山県立医科大学, 医学部, 助手 (10305758)
大谷 稔男 和歌山県立医科大学, 医学部, 助手 (10326366)
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研究概要 |
1)患者のH. pylori感染の検索 標準的治療抵抗性の慢性蕁麻疹や成人型アトピー性皮膚炎患者の血中抗H. pylori-IgG抗体を測定し、同意を得た後消化器内科に紹介し、内視鏡検査による培養と組織学的検鏡で感染を確認し、除菌療法(保険適用)を施行した。除菌療法完了の確認後の経過観察を行った。その結果、標準的治療に抵抗の難治性皮膚疾患,計217例のうち抗体陽性患者は,53%を占めた。除菌後の効果は,慢性蕁麻疹,60%,多形慢性痒疹,58%,皮膚そう痒症,55%,貨幣状皮膚炎,50%で有効であり,急速に軽快する例があった。 2)血清学的検討 我々が開発したELISAによってIgE型の血中抗体価を測定した。アトピー性皮膚炎患者の抗H. pylori-IgE抗体陽性率は,18%で,total IgEと相関を示した。抗H. pylori-IgE抗体陽性群は,陰性群にくらべ,有意にカンジダ,ピチロスポルム,トリコフィトンのRAST値が高かった。重症患者は,軽症患者にくらべ,抗H. pylori-IgE抗体価が有意に高かった。慢性皮膚疾患の中にはH. pylori持続感染が皮疹の病因あるいは難治化の原因の一つとなっている可能性を推定した。 皮膚生検による検討は来年度に行うこととした。
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