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2001 年度 実績報告書

骨代謝機能診断および転移性骨腫瘍の疼痛緩和を目的とする放射性薬剤の設計

研究課題

研究課題/領域番号 13877135
研究種目

萌芽的研究

研究機関千葉大学

研究代表者

荒野 泰  千葉大学, 大学院・薬学研究院, 教授 (90151167)

研究分担者 上原 知也  千葉大学, 大学院・薬学研究院, 助手 (10323403)
キーワードビスフォスフォン酸 / テクネチウム-99m / 骨代謝機能 / 転移性骨腫瘍 / 疼痛緩和 / 放射性レニウム
研究概要

骨への親和性を損なうことなく血液からの速やかな放射能消失を与える骨代謝機能診断および転移性骨腫瘍の疼痛緩和に有用な放射性薬剤の開発を目的として,生体内で安定な^<99m>Tc単核錯体を骨に高い親和性を有するビスホスホン酸(BP)の分子に導入した新たな薬剤設計を検討した.N_2S_2型四座配位子であるmonoaminemonoamidedithiols(MAMA)構造は^<99m>Tcと安定で中性の錯体を形成することからMAMAの窒素原子に酪酸のω炭素原子を結合させた後,炭素側鎖にアミノ基を有するBP誘導体とを結合したMAMA-APBを合成した.次いで,MAMA-APBを^<99m>Tcと錯体とした後,マウスにおける体内放射能動態を汎用されている^<99m>Tc-HMDPと比較した.
^<99m>Tc-MAMA-APBは,^<99m>Tc-グルコヘプタン酸錯体との交換反応により,95%以上の放射化学的純度で得られた.また別途行った検討から,MAMA-APBを^<99m>Tc標識した場合,^<99m>Tcは5座配位のオキソ錯体としてMAMA部位のみに選択的に配位することが支持された.
^<99m>Tc-MAMA-APB,^<99m>Tc-HMDPを95% O_2/5% CO_2で飽和したリン酸緩衝液中37℃で24時間インキュベートした結果,^<99m>Tc-HMDPは40%以上が^<99m>TcO_4へと分解されたのに対して,^<99m>Tc-MAMA-APBは,95%以上が未変化体として存在した.さらに,^<99m>Tc-MAMA-APBおよび^<99m>Tc-HMDPをマウスに投与した結果,共に,投与早期から骨への高い集積を示した.^<99m>Tc-MAMA-APB投与6時間後までに尿中に排泄された放射能を逆相HPLCで分析した結果,85%以上の放射能が^<99m>Tc-MAMA-APBと同じ保持時間に溶出され,本錯体は生体内においても安定に存在することが確認された.
以上の結果から,BPとキレート構造とを分子内に独立して存在させる標識薬剤の設計により,^<99m>Tc錯体の高い安定性と骨への集積性とが両立可能であることが明らかとなり,骨代謝機能診断および転移性骨腫瘍の疼痛緩和を目的とする放射性薬剤の開発に対する本薬剤設計の有用性が示された.

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Yasushi Arano: "Recent advances in ^<99m>Tc radiopharmaceuticals"Ann.Nucl.Med.. (in press).

  • [文献書誌] Hiromichi Akizawa, Yasushi Arano: "Novel methods of altering pharmacokinetics in radiopharmaceutical design"Q.J.Nucl.Med.. (in press).

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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