研究概要 |
私共は、糸球体の構造、機能を規定する蛋白分子を遺伝子発現から明らかにする研究を行なっている過程で糸球体上皮細胞(podocyte)と神経細胞(neuron)に特異的に発現し、その遺伝子産物がこれらの細胞のゴルジ体膜に特異的に局在する遺伝子をクローニングした(Kondo D et al. J Am Soc Nephrol 11:803-813, 2000)。この遺伝子産物をpodoneurogolginと呼ぶことを提唱しているが、その機能は不明であった。その機能を推定するために、平成13年度はこの分子がどのような細胞に発現しているか、一般的ゴルジ体膜蛋白、giantin, GM130, GS15, GS28, p115, syntaxin 6, Vti 1a, Vit 1b, mannosidaseII, β-COPなどと発現分布に差があるかを比較検討した。 その結果、podoneurogolginは糸球体上皮細胞と神経細胞の他に、ランゲルハンス島の細胞のゴルジ体に多く発現している蛋白であることが分かった。また、一般的ゴルジ体膜蛋白、giantin, GM130, GS15, GS28, p115, syntaxin 6, Vti 1a, Vit 1b, mannosidase II., β-COPなどは普遍的にどの細胞のゴルジ体にも発現しているが、podoneurogolginは特異的にしか発現しておらず、この蛋白はそれらの細胞のゴルジ体の特異的機能に関連していると考えられた。
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