研究概要 |
硫酸転位酵素GP3ST(glycoprotein-3-sulfotransferase)を発現ベクターpCX(beta-actin promoter)に挿入し、ブタの血管内皮のline(MYP30)に遺伝子導入し、いくつかの安定株を樹立した。HPLCにて高い酵素活性が確認されたCell line, B4とB12、について以下の検討をした。コントロールには、α2,6sialyltransferase(ST)を用い、同じく高活性発現株を樹立した。 細胞表面全体のヒトに対する抗原性の変化をヒト血清を反応させ、またα-galactosy1抗原の変化をGSIB4レクチンで染色し、FACSで調べた。ヒト血清に対しては、naiveなMYP30にたいし、B4は50%B12は34%、またSTは24%、GSIB4レクチンに対してはB4は66%、B12は50%、またSTは24%と抗原性が下がっていた。 Hanganutziu-Deicher抗原の変化を抗H=D抗体(chiken poly clonal Ab)で調べた。B12もSTも約20%低下していた。 また、ヒト血清にたいする細胞傷害率を検討した。結果はB4が70%程度が下がっていた。 さらに、糖蛋白に関しては、ヒト血清を反応させたwestern、blotおよびGSIB4レクチン染色でB4,B12,STとも66Kda以下の蛋白の抗原の減少を確認した。 糖脂質に関しては、同じくヒト血清とGSIB4を用いた薄層クロマトグラフィー免疫染色で解析し、5糖以上の中性糖で、B4,B12,またSTにも明らかな抗原性の低下を認めた。
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