研究課題/領域番号 |
13877220
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研究種目 |
萌芽的研究
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
山上 岩男 千葉大学, 医学部・附属病院, 講師 (90241968)
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研究分担者 |
小林 英一 千葉大学, 医学部・附属病院, 助手 (10225493)
村井 尚之 千葉大学, 医学部・附属病院, 助手 (80241967)
山浦 晶 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (40009717)
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キーワード | 片側顔面痙攣 / 顔面神経 / 動物モデル / 神経血管減圧術 / 誘発筋電図 |
研究概要 |
片側顔面痙攣のラットモデルを作成することを目的とし、本年度は以下のような手順でラット顔面神経核に慢性電気刺激を加え、顔面神経核の異常興奮状態を作成した。 1)<ラット顔面神経核への刺激電極の挿入> 脳定位手術装置(David Kopf Instrument Model 900)を使用し、ラット(n=35)pentobarbital麻酔下に、顔面神経核に刺激電極を挿入した。挿入した電極から電気刺激を加え、オトガイ筋の収縮を肉眼的に観察するとともに、誘発筋電図を記録し、電極の位置を確認した。組織学的にも電極挿入の位置を確認し、電極挿入により神経損傷がないことを確認した。 2)<慢性刺激電極の作成> 顔面神経核に留置する内筒(50μm、ウレタン被覆線)、内筒を補強する外筒(500μm)、および電極を頭蓋骨に固定し、刺激発生装置に連結するためのコネクタ、により構成される頭蓋内留置式の慢性刺激電極を作成した。 3)<慢性電気刺激と顔面神経核の異常興奮状態の作成> ラット(n=25)麻酔下に顔面神経核に慢性刺激電極を留置した後、麻酔から覚醒させた。慢性刺激電極挿入後翌日から3週間、毎日、ラット覚醒下に上記の慢性電気刺激を加えた。慢性刺激開始後、片側顔面痙攣の有無を毎日肉眼的に観察するとともに、1週・2週・4週後において麻酔下に、安静時顔面筋電図および誘発顔面筋電図を記録した。慢性刺激開始後30日において誘発顔面筋電図、側頭枝刺激によりlateral spreadと思われる異常筋電図の発生を認めた。片側顔面痙攣の発生は認めなかった。組織学的検討では、慢性刺激後の顔面神経核に細胞脱落などの変化を認めなかった。 研究成果の一部を、千葉臨床神経生理研究会および第4回脳神経減圧術研究会(於:岡山)において発表した。
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