研究課題/領域番号 |
13877235
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研究種目 |
萌芽的研究
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
高木 理彰 山形大学, 医学部・整形外科学講座, 助教授 (40241707)
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研究分担者 |
後藤 薫 山形大学, 医学部・解剖学第2講座, 教授 (30234975)
荻野 利彦 山形大学, 医学部・整形外科学講座, 教授 (60109436)
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キーワード | ジアシルグリセロールキナーゼ / in situハイブリダイゼーション / ラット / 脊髄 / 後根神経節 |
研究概要 |
プロテインキナーゼ(PKC)の活性化因子であるDGキナーゼ(DGK)は、ラット脳内の特徴的な遺伝子発現局在がin situハイブリダイゼーション(ISH)法により報告されている。本研究はラット脊髄・後根神経節(DRG)におけるDGK遺伝子および蛋白の発現様式を解析することを目的とした。Wistar系成体ラットの脊髄とDRGから全RNAを抽出し、ノーザンブロット法を行った。また、頸髄および付随するDRGの新鮮凍結切片を作製し、^<33>PラベルcRNAプローブを用いたISH法によりmRNAの発現局在を観察した。また、唯一特異抗体が作製されているDGKζについて免疫組織化学法を行い、蛋白の局在を観察した。 ノーザンブロット法において、脊髄ではDGKζ、DRGではDGKζ及びιの強い発現バンドが検出された。ISH法では、DGKζが脊髄前角から後角まで均一に発現していた。またDGKιは後角表層のI、II層と思われる幅の狭い領域に認められた。一方DRGでは、DGKζとιが小径の神経節細胞に著しく強く発現していた。DGKζの免疫組織化学法では、脊髄灰白質神経細胞の核内に免疫陽性が認められた。DRGでは、大径の神経節細胞の核内に免疫陽性が検出されたが、小径の細胞においては核に免疫反応が認められるもの、核と細胞質の双方に同程度の免疫反応が検出されるもの、核よりも細胞質の反応性が強いものなど、多様な染色パターンが観察された。DDKζに核移行シグナルがあることから、この蛋白の核-細胞質移行機構の存在が示唆された。 本研究により、ラット脊髄・DRGにおけるDGKアイソザイム遺伝子の多様な発現局在が明らかになり、痛覚の伝達・受容など知覚神経機能への関与が強く示唆された。
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