研究課題/領域番号 |
13877239
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研究種目 |
萌芽的研究
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
清水 富永 信州大学, 医学部・付属病院, 助手 (40283270)
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研究分担者 |
高岡 邦夫 信州大学, 医学部, 教授 (30112048)
二階堂 敏雄 信州大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (50180568)
五明 広樹 信州大学, 医学部, 助手 (70311694)
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キーワード | 電気化学療法 / 骨軟部腫瘍 |
研究概要 |
1.坦癌動物の作成:マウス骨肉腫細胞を培養しC3Hマウスの皮下に移植し細胞増殖させた後、腫瘍を摘出しミンチしたものを、C3Hマウスの背部皮下に移植し坦癌マウスを作成した。 2.電気化学療法の効果の検定: (1)単回治療成績:コントロール群、抗腫瘍剤群、電気刺激群、抗腫瘍剤・電気刺激群の4群に分けた。抗腫瘍剤としてメソトレキセートを用いた。電気刺激群では、皮下腫瘍を挟むように電極を設置しBTX社製のCUY-21を用いて100V/Cm、8サイクル、一回パルス50msecの電気刺激を加えた。処置後、経時的に皮下腫瘍のサイズを計測したところ、抗腫瘍剤・電気刺激群のみで有意な腫瘍の縮小を認めた。 (2)複数回治療成績:(1)と同様に4群に対して、処置を1週間隔で3回行った。抗腫瘍剤・電気刺激群では、腫瘍消失したものがあった。生存曲線をプロットすると、抗腫瘍剤・電気刺激群では、他群に比して長期生存を認めた。 3.電気化学療法の効果の波及する範囲の検討:腫瘍を挟むように2つの電極をあてて通電を行い、腫瘍の壊死範囲を組織学的に立体的に検討したところ、二つの電極を頂点とする楕円球状に組織の壊死がみられた。 4.正常組織への電気刺激の安全性の検定:同様の電気刺激を正常組織(肺、肝、腎)に行い、1日後に屠殺して各臓器を組織学的に検討したところ、組織の変性や壊死等はみられなかった。 今後、坦癌大動物における血管カテーテル電極を用いた動脈内抗腫瘍剤投与後の電気化学療法を行う予定である。
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