現在、犬を用いた急性肺障害モデルを作成中である。ペントバルビタール麻酔下に人工呼吸管理をする。0.05規定塩酸をカテーテルを用い、左肺後葉に3ml/kgを注入する。経食道心エコーを用い、下行大動脈を介して障害左肺底部を観察する。 本モデルで、αとβ受容体の影響を見るために、イソプロテレノールとフェニルエフリンを投与すると、肺静脈血流速度はイソプロテレノールでは増加し、フェニルエフリンでは減少することが観察され、薬剤の障害部位血流に及ぼす影響の評価に有用と判明した。 プロスタグランジンE1(PGE1)は大量投与では、酸素化能を増悪させることが知られている。本モデルで、PGE1投与量を増加させて行くと、障害部肺血流が増加するにつれて、酸素化能が低下することが観察される。本モデルは血流量と関連した呼吸機能の観察にも適当と判断された。 現在この成果は、関連雑誌に投稿すべく執筆中である。研究成果には、最近我々が、発表した関連文献を示した。 本年はこのモデルを使用し、本年は障害肺にフルロブランを用いた、液体換気を施行したい。フルロブランは酸素化能を改善するだけでなく、抗炎症作用を有する。フルロブラン投与により、肺障害部面積および血流が、いかに変化して行くかを観察する。
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