研究課題/領域番号 |
13877262
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
羽渕 友則 京都大学, 医学研究科, 助教授 (00293861)
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研究分担者 |
賀本 敏行 京都大学, 医学研究科, 講師 (00281098)
加藤 哲郎 秋田大学, 医学部, 教授 (40004642)
小川 修 京都大学, 医学研究科, 教授 (90260611)
木下 秀文 京都大学, 医学研究科, 助手 (30324635)
佐藤 一成 秋田大学, 医学部, 助教授 (90270842)
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キーワード | 前立腺癌 / 遺伝子多型 / ステロイドホルモン / CYP17 / CYP19 / IGFBP-3 / SRD5A2 |
研究概要 |
前立腺癌、とくに進行期の前立腺癌に対する治療においてホルモン療法が主体であることは疑いない。しかし、前立腺癌の一部では初めからホルモン抵抗性である症例があり、また多くの例ではホルモン療法後にいずれ抵抗性になる。本研究は、ステロイドホルモンや前立腺癌と関連する成長因子等群を主とした遺伝子多型を調べ、ホルモン感受性との関係を明らかにし、ホルモン抵抗性前立腺癌の成立に患者サイドの遺伝的因子が関与しているかを目的とするものである。 まず、ステロイド性ホルモンのキーステップを司るCYP17、CYP11Aのプロモーター領域の多型を調べたところ、CYP17に関しては前立腺癌や前立腺肥大症の発症と有意な関係があることがわかり、いっぽうCYP11Aに関しては、発症ではなく前立腺癌の進展に関与していることが示唆された。またテストステロンの活性型(DHT)への変換酵素遺伝子のSRD5A2の多型を解析したことろ、この多型は前立腺癌の発症に関与しているが、肥大症には関与していないことが示唆された。またこれらの多型と正常壮年期男性の血清ホルモン値との関係を調べたところ、CYP17多型のリスクアレルをもっている男性は血清free testosterone値やandrostenedione値が有意に高いことがわかった。また癌遺伝子のcyclinD1の遺伝子多型が前立腺癌や肥大症と関連していることを示すとともに、現在IGFBP-3やTGF-betaの遺伝子多型を解析している。 さらに、予後、転帰が判明している進行前立腺癌(病期D)患者のこれらの遺伝子多型とホルモン療法への感受性、予後との関係を検討したところ、CYP19(aromatase)、TGF-beta、IGFBP3などの遺伝子多型が予後と相関することが示唆された(投稿準備中)。
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