研究概要 |
家族性前立腺癌におけるgenetic susceptibilityの研究は責任locusの同定を目指すものと、前立腺癌がホルモン依存性癌であることからステロイドホルモン関連物質をコードする遺伝子の多型を解析するものが大きな流れとなってきた。本研究では、epigeneticsの点から前立腺癌のsusceptibilityを解明する目的で金属代謝物質遺伝子のプロモーターのメチル化の検討を行った。 研究に際し、群馬大学倫理委員会に家族性前立腺癌の遺伝子解析に関する申請を行い、承認を得た。サンプルの収集は家族性前立腺癌患者の末梢血白血球からゲノムDNAを抽出した。プロモーター領域のメチル化に関しては、これまで文献で報告されているglutathione S-trasnferase(GST)をモデルとした。ゲノムDNAをbisulfite処理したmodified DNAを鋳型としメチル化に特異的なプライマーを使用して当該部位のメチル化の状況を解析した。また、bone morphometric protein(BMP)6のプロモーター領域のメチル化も前立腺癌との関連から解析されているため、同様にmodified DNAからnested PCRにて当該領域を増幅し、メチル化特異的制限酵素(MspI,TaqI)で解析した。 これらの検討からDNAのbisulfite処理およびその後のPCRの条件が確認されたため、次年度は他のメタロチオネインなどのプロモーターに関しても条件を確認し、サンプルを用いて解析を行う。
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