研究課題/領域番号 |
13877265
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研究種目 |
萌芽的研究
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
小川 修 京都大学, 医学研究科, 教授 (90260611)
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研究分担者 |
西山 博之 京都大学, 医学研究科, 助手 (20324642)
山本 新吾 京都大学, 医学研究科, 講師 (80322741)
田畑 泰彦 京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (50211371)
諸井 誠司 京都大学, 医学研究科, 助手 (50314191)
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キーワード | 腎 / 再生 / 徐放 |
研究概要 |
実験方法 (1)欠損腎の足場の作製:グルタールアルデヒド架橋collagenスポンジを用いて円筒形にし、ポアサイズ200μmのポリプロピレンのメッシュで被う。 (2)間様系幹細胞(MSC)の単離・培養:同系SDラット6週メスの大腿骨、脛骨から清潔操作で骨髄を吸引し、初期培地(10.2wt% α-MEM、26.2mM NaHco3、15%FBS)で培養する。 (3)塩基性線維芽細胞成長因子(bFGF)の徐放化:コラーゲンをアルカリ処理して得られる5のゼラチンから、油性・水性攪拌法により直径70μm〜100μmの粒子を得る。この粒子に塩基性線維芽細胞成長因子(bFGF)を含浸する。 (4)細胞と徐放化因子の封入:足場にMSC 2x10^4個の細胞と徐放化bFGF100μgを封入し、3時間培養の後に腎欠損部に挿入。 (5)動物実験:SD ratを麻酔下に左腎の中腎盃の外側皮質部にピンセットで欠損部をつくり、細胞・徐放体を含んだ足場を埋め込む。腎外側皮膜を7.0ナイロンで1針縫合して脱離を防ぐ。 結果(1)MSC+bFGF徐放群24週および36週で腎欠損部に糸球体と尿細管組織を認めた: (2)bFGF徐放群28週でも同様な腎組織再生と考えられる部分を一部認めた。 考察 この結果は、至適条件の元では、腎臓それ自体に再生の潜在能力があることを示している。しかし、各群n=3のうち、再生の見られたのは1例ずつのみであった。この原因は同系SDラットにおいては、別の固体から得られたMSCとhostが完全なsyngeneicでなかったことに起因するものと考えられる。今後はsyngeneicとされる、F344 ratで系を統一する。また、研究の成果をより臨床応用に近づけるために、健常ratだけではなく、薬剤性の腎炎誘導モデルでの再生を観察しその至適条件を検討する予定である。
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