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2002 年度 実績報告書

ミトコンドリア遺伝子の異常を伴うヒト遺伝性難聴に対するモデルマウスの作製とその解析

研究課題

研究課題/領域番号 13877284
研究機関(財)東京都医学研究機構

研究代表者

米川 博通  財団法人 東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 参事研究員(副所長) (30142110)

研究分担者 設楽 浩志  財団法人 東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 研究員 (90321885)
吉川 欣亮  財団法人 東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 研究員 (20280787)
金田 秀貴  理化学研究所, ゲノム科学総合研究センター, 研究員 (00214479)
キーワードヒト疾患モデル / 難聴 / ミトコンドリアDNA / コンジェニックマウス / 核・ミトコンドリア相互作用 / 突然変異 / mtGFP-Tgマウス
研究概要

本研究は、ミトコンドリア遺伝子の異常を伴うヒト難聴の発症原因を明らかにすることを最終的な目的としている。この難聴の原因が、ミトコンドリアと核の相互作用によって起こることについては明らかであるが、その相互作用の詳細については全く未知の状態にある。また、聴覚という高次の機能解析のため、内耳聴覚系の培養など、in vitro系での開発はほとんど不可能であるし、またこれらの研究を直接ヒトで行うことは全く不可能でみる。従って、この代替として、我々はヒト難聴に対するモデルマウスを作成し、そのマウスを用いて解析することにした。もし、マウスでの発症原因、特に原因遺伝子の解明ができれば、その成果はゲノム科学的、あるいは分子生物学的な手段を以てヒトへの応用は容易である。それ故、与えられた研究期間における目的は、モデルマウスの作製・およびその解析法の開発が主たるものとなる。
昨年度に引き続き、今年度は以下の研究を行った。
1)変異ミトコンドリアを導入した難聴マウスを作製し、そのマウスによる難聴病態の経時的変化を観察した。その結果、その変異ミトコンドリアDMAの違いにより聴覚能力に明らかな差が認められ、この差は加齢と共に大きくなった。このことは、ミトコンドリアDNAがマウス個体の聴覚能力に強い影響を及ぼしているという、これまでの結果を強く支持すると共に、ミトコンドリアDNAのハプロタイプの差が加齢によっても影響を受けるという新たな知見を示した。
2)これに加え、今回ジャクソンシェーカーマウスの原因遺伝子のポジショナルクローニングに成功し、その遺伝子産物が、SansというScaffold蛋白の1種であることが判明した。そこで、昨年度開発に成功したmtGFP-TgマウスとSans蛋白の局在を観察したところ、Sans蛋白とミトコンドリアが共局在することが新たに判明し、現在1)との関連で研究を続けている。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Shitara, H.et al.: "Non-invasive visualization of sperm mitochondria behavior in transgenic mice with introduced green fluorescent protein (GFP)"FEBS Lett.. 500. 7-11 (2001)

  • [文献書誌] Wada, T.et al.: "A point mutation in a cadherin gene, Cdh23,causes deafness in a novel mutant, Waltzer mouse niigata"Biochem Biophys Res Commun.. 283. 113-117 (2001)

  • [文献書誌] Kikkawa, Y.et al.: "Mutations in a new scaffold protein Sans cause deafness in Jackson shaker mice"Hum Mol Genet.. 12.5. 453-461 (2003)

  • [文献書誌] Weil, D.et al.: "Usher syndrome type I G (USH1G) is caused by mutations in the gene encoding SANS, a protein that associates with the USH1C protein, harmonin"Hum Mol Genet.. 12.5. 463-471 (2003)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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