研究課題/領域番号 |
13877307
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
西嶋 克司 九州大学, 歯学研究院, 助手 (00136508)
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研究分担者 |
田中 輝男 九州大学, 歯学研究院, 教授 (60077667)
城戸 瑞穂 九州大学, 歯学研究院, 助教授 (60253457)
山座 孝義 九州大学, 歯学研究院, 助手 (80304814)
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キーワード | 顎関節 / 滑膜炎 / 滑膜表層細胞 / NO / iNOS / ニトロチロシン / 免疫組織化学 |
研究概要 |
本年度の研究計画は、昨年度当研究室で確立した顎関節炎モデルラットを用いて、顎関節炎の発症機序を解明すべく、以下の解析をおこなった。 (1)顎関節炎モデルラット滑膜におけるiNOS遺伝子の発現 顎関節炎モデルラット滑膜を採取し、RT-PCR法にてiNOS遺伝子発現の解析を試みた。滑膜採取の困難さ、サンプル量の微量さのため、遺伝子発現の安定解析が不可能であった。またiNOS mRNAプローブを作製しているもの、特異的なプローブの作製には至っていない。従って、ノーザンブロッティング法・in situ hybridization法による顎関節炎滑膜におけるiNOS mRNAの発現・局在は不確定のままである。現在、滑膜採取の方法・特異性の高いプローブを作製中である。 (2)顎関節炎モデルラット滑膜におけるニトロチロシンの発現 昨年度、モデルラット滑膜におけるiNOS局在を同定し、さらにその遺伝子発現を強く誘導する転写因子NF-κBの活性化を示した。本年度において、iNOSにより大量に合成されるNOの生成度を形態学的に検索するために、NOによる反応性窒素酸化物であるニトロチロシンの局在を検討した。免疫光顕的検索により、顎関節炎モデルラット滑膜組織、特に表層細胞では、ニトロチロシンの局在が認められた。炎症性滑膜においては正常時と比較して全ての反応性が強い傾向が見られた。また免疫電顕的検索では、顎関節炎の滑膜表層細胞の核、細胞質、細胞間隙に局在が認められた。 (3)まとめ・成果発表 本研究の結果、顎関節炎発症における機械的ストレスの付与によりNOの大量産生が促進され、関節炎を誘導していることが示唆された。正常顎関節におけるiNOS, IL-lbの局在に関する論文を国際雑誌で発表し、また顎関節の炎症の発症・進行へのNF-kBの強い関与を示す論文を国際雑誌に投稿し、現在印刷中である。
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