研究課題/領域番号 |
13877311
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研究種目 |
萌芽的研究
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
滝川 正春 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (20112063)
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研究分担者 |
西田 崇 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (30322233)
久保田 聡 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (90221936)
中西 徹 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (30243463)
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キーワード | 結合組織成長因子(CTGF) / エコジェニン / 遺伝子発現 / 軟骨細胞 / シスエレメント / 低酸素 / MMPs / 組み換え体タンパク質 |
研究概要 |
1)ヒト乳ガン細胞を低酸素下で培養すると血管新生因子であるエコジェニン/結合組織成長因子(エコジェニン/CTGF)のmRNAが増加すると共に、同タンパクの産生量も増加し、細胞から培地中への分泌量も増加した。さらに、マトリックスメタロプロテイナーゼ(MMPs)がCTGFと同調して発現したことから、CTGFはMMPsと協調的に働いて組織リモデリングを行うことが示唆された。 2)一方、ヒト軟骨細胞様細胞株HCS-2/8では、低酸素下では、CTGF)mRNAの増加が起こるものの、MMPsは誘導されず、その特異的阻害タンパクTIMPのmRNAが誘導された。即ち、低酸素が軟骨成長にプラスに働くことが示唆された。 3)CTGFによる生体デザインを目指す一つの手法として、同因子の発現を転写レベルで調節する方法がある。そこで、軟骨由来HCS-2/8細胞におけるCTGFの構成的高発現を支えている領域を探索し、既知のTGF-β response element以外に新たなcisエレメントを見いだした。このエレメントに結合する核内因子がHCS-2/8細胞に特異的に見られることから内軟骨性骨化を制御する転写因子である可能性が考えられ、この因子の同定を行いつつある。 4)エコジェニン/CTGFのIGF結合タンパク質様(IGFBP)モジュール、フォンビルブランドファクタータイプC(VWC)モジュール、トロンボスポンジンタイプ1リピート(TSP)モジュール、C末(CT)モジュールの各モジュール毎の発現ベクターを構築し、Brevibacillus choshinensisでこれらの4つのモジュールの組み換え体タンパク質の大量生産に成功した。現在、これらのモジュールがエコジェニン/CTGFの多面的作用のどれをになっているか、また、エコジェニン/CTGF作用を阻害するか否かなど、各種生物活性の検定をおこなっている。
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