研究分担者 |
松浦 広興 徳島大学, 歯学部・附属病院, 助手 (10271082)
郡 元治 徳島大学, 歯学部, 助手 (50253216)
西川 啓介 徳島大学, 歯学部・附属病院, 講師 (10202235)
山崎 有紀子 徳島大学, 歯学部・附属病院, 助手 (60332821)
大倉 一夫 徳島大学, 歯学部, 助手 (70304540)
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研究概要 |
歯科診療において歯髄の生死を判定することは重要であり,最も一般的に用いられている方法は電気的に診断する方法である.しかし,この方法では歯冠の大部分を覆うような歯冠修復物を装着している歯については診査が困難であり,その場合臨床症状や視診,触診またレントゲン写真などから得られる情報を総合して判定している.上記の診査から歯髄の生死について推測することができるが,確定診断を行うまでには至っていない. 歯髄が生きている場合,歯髄血管は拍動しており,歯牙硬組織も心拍に同期した血管の拍動による膨縮を行っていると考えられる.この硬組織の膨縮は極めて小さく,計算機シミュレーションを行ったところ,上顎中切歯において約11pmであった. 磁気空間を使って顎運動などを測定することが可能な機器を試作しているが,これらの運動は運動量が大きく,測定対象物が大きいことから検出機構部のコイルの大きさを大きくすることが可能である.これまでに得られた磁気空間による測定技術を使って,歯の膨縮の大きさを測定できるように検出機構部(コイル)について検討を行った. 直径3mmの大きさで3.3mHのインダクタンスを持つ既製のコイルは磁性合金をコアに使用することで,小型で高いインダクタンスを得ているが,磁気空間の形成から考えて空芯コイルの方が磁力線の彎曲が少なく測定解析し易い空間が得られると考えられる.直径8mmでφ0.05mmの線材を400回巻くと約1.9mH,500回で2.8mHのインダクタンスがあった.また,直径4mmでφ0.05mmの線材を500回巻くと1.2mHのインダクタンスが得られた.直径4mmのコイルは巻いた後の最終径が6mm,幅2mmにもなり,唾液等からの絶縁を考えてモールドするとさらに大きくなることを考えると,コイルについてさらなる検討を加える必要がある.今後はデータ処理部分についても検討していく予定である.
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