研究課題/領域番号 |
13877331
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研究機関 | 奥羽大学 |
研究代表者 |
清野 和夫 奥羽大学, 歯学部, 教授 (90048546)
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研究分担者 |
丸井 隆之 奥羽大学, 歯学部, 教授 (40076047)
島崎 伸子 奥羽大学, 歯学部, 助手 (30337258)
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キーワード | 亜鉛結合タンパク質 / 炭酸脱水酵素VI型 / 味覚障害 / Gustin / ELSA法 / ポリクローナル抗体 / 耳下腺唾液 / 電気泳動 |
研究概要 |
【背景および目的】 味覚異常の患者のうち約60%は亜鉛治療を必要とするといわれている。亜鉛欠乏に起因した味覚異常では、耳下腺唾液中の37kDaの亜鉛結合タンパク密(Gustin)濃度が低下しており、このタンパク質はヒト炭酸脱水酵素VI型と相同性があることが報告されている。そこで本研究では、味覚障害者の唾液を採取し、ヒト炭酸脱水酵素VI型アミノ酸合成ペプチドに対する抗体を用いた抗児抗体反応すなわちELISA法により37kDa亜鉛結合タンパク質の検出を行い、味覚異常診断のパラメータとすることを目的とした。 【方法と結果】 披験者(味覚正常者、障害者)から安静時に全唾液および耳下腺唾液を採取し、各々の味覚閾値用背景を確認するために四基本味に対する検査を行った。一方既知のヒト炭酸脱水酵素VI型アミノ酸配列から選択したアミノ酸配列より合成ペプチドを作成し、ウサギ2羽に免疫して抗血清を得た。精製の後、スタンダードとして用いた。ELISA法としてマルチプレートにCoating Bufferにて希釈した合成ペプチドおよび各種唾液をコーティングした。続いて作成したポリクローナル抗体を一次抗体(2500培希釈)として加え、二次抗体にはヤギ抗ウサギIgG (500倍希釈)を用いた。さらにアビジンビオチン法にて反応させ、発色させた。 その結果、スタンダードカーブは12.5〜400ng/mlの範囲でほぼ直線性が得られた。CAVIの濃度は、全唾液における味覚正常者の平均値は333.5ng/ml、味覚異常者は53.3ng/ml、耳下腺における正常者の平均値は1327.0ng/ml、異常者は203.1ng/mlであった。従って全唾液に対して耳下腺唾液中はおよそ4倍、異常者に対して正常者はおよそ6倍であった。 【まとめ】 作成した抗体を用いて、非侵襲的かつ簡便な検査法として味覚異常の診断の一助となり意義深い他のと考えられる。
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