研究課題/領域番号 |
13877339
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
森 悦秀 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (00231639)
|
研究分担者 |
南 克浩 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (70346162)
東野 輝夫 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (80173144)
|
キーワード | 顔面計測 / 三次元形状計測 / 顔面特徴点 / 顔面形状評価 / 自動処理 |
研究概要 |
臨床の場で発生する大量の3次元形状データを迅速に処理し、その結果を評価するためには、コンピュータによる計測および評価の自動化が必須である。本研究では、その第一歩として種々の計測法により得られた3次元形状データから、形状評価の基準となる生体の特徴点を全自動で抽出するためのアルゴリズムを考案し、一般に普及しているコンピュータ(DOS-Vマシン)上で作動するプログラムを作製し、その精度を明らかにすることを目的とした。 今年度は1.特徴点抽出アルゴリズムの考案、2.特徴点抽出プログラムの記述、3.抽出特徴点の精度検定を行った。その結果、1.7000〜8000点で構成される顔面クラウドより外鼻特徴点25点の抽出に要した時間は約2分であった。自動抽出された特徴点の中で鼻翼溝周囲特徴点の一部で標準偏差は1.6mmであったが、それ以外は1.0mm以内であり、本法の再現性は臨床応用に耐え得ることが示された。手動抽出と比較して再現性は同程度であったが、特徴点の位置の平均値に有意な差を認めた。 2.健常成人113名中、鼻孔周囲に特徴点抽出に充分な数の計測点を得ることができず、鼻孔周囲特徴点が抽出できなかった例を7名認めた。 3.唇裂鼻患者47名中、鼻孔が小さく鼻孔周囲特徴点が抽出できなかった例を8名、外鼻の変形が強く外鼻下面外形線を抽出できなかった例を4例認めた。片側性口唇裂症例では左右差を計測項目中に認め、健側に比べて、患側の鼻翼は有意に長く、なだらかであることが定量的に示された。両側性口唇裂症例では健常成人に比べて有意に外鼻全体および鼻孔形状が前後的に圧平されていることが定量的に示された 以上より、本法により顔面クラウドから、臨床的に充分な精度で特徴点を全自動抽出することが可能となり、迅速で客観的な外鼻形状評価を可能にすることが示唆された。
|