研究概要 |
1.A群溶血性レンサ球菌製剤OK-432より、OK-432のIFN-γ誘導部位を認識する単クローン抗体TS-2をリガンドとしたアフィニティ・カラムを用いてリポタイコ酸関連分子OK-PSAを調製した。 2.C3H/HeNマウス[Toll-like receptor(TLR)4:野生型]及びC3H/HeJマウス(TLR4:aa712^<pro→his>)から脾細胞を調製し、更に、抗アシアロGM1抗体及び抗マウスCD3抗体と反応させた後、家兎血清補体で処理して、NK及びT細胞を除去した脾細胞標品を調製した。この処理マウス脾細胞をOK-PSA(10^<-1>μg/ml)存在下で培養し、IFN-γ及びTNF-αのmRNAとタンパクの発現を、RT-PCR或いはELISAにて検索した。その結果、C3H/HeNマウスにのみIFN-γ及びTNF-αの発現を認めた。 3.C3H/HeN及びC3H/HeJマウスに同系腫瘍細胞SCCVIIを移植し担癌マウスを調製し、OK-PSAを投与して治療を行った。その結果、C3H/HeNマウスにおいて、C3H/HeJマウスと比較して有意に高い抗腫瘍効果が認められた。 4.C57BL/6マウスにおいて調製したTLR1-/-,TLR2-/-,TLR4-/-のノックアウトマウス及び野生型C57BL/マウスの脾細胞を上記(2)で述べたように調製し、OK-PSA存在下で培養し、IFN-γ及びTNF-αの発現誘導をRT-PCR及びELISAを用いて遺伝子・タンパクレベルで検索した。その結果、TLR-4-/-マウス脾細胞においてのみ、IFN-γ及びTNF-αの発現誘導が検出されなかった。以上の結果より、OK-PSAの細胞受容体はTLR4であることが強く示唆された。
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