研究課題/領域番号 |
13877389
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
武田 裕子 琉球大学, 医学部附属病院, 講師 (70302411)
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研究分担者 |
大滝 純司 東京大学, 医学教育国際協力研究センター, 助教授 (20176910)
武田 多一 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 助教授 (20271249)
溝口 昭一 琉球大学, 医学部, 教授 (90178830)
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キーワード | 医学教育 / 生涯学習 / メーリングリスト / IT / コンピュータ・リテラシー / EBM / 離島・僻地 / 診療支援 |
研究概要 |
離島・僻地に働く医師への学習・診療支援として、メーリング・リスト(ML)の可能性を探るために、全国規模のML(TFC)と、沖縄県の離島診療所・病院を結ぶML(RISN)の2つを主な対象として調査研究を行った。 TFCについては、単年度のメール(総数2607件)について解析したところ、最も多かったのが、症例の相談・治療や診断方法など診療に直結した内容のメールで743件(28.5%)を占めた。次に医学教育・生涯学習に関する話題で213件(8.2%)、予防医療186件、医療制度163件、介護保険や在宅医療関連141件と続いた。ML参加者間の共同研究に関するメールも127件あった。これらを合計すると1年間のメールの60.3%にのぼった。診療、教育の順に最多項目であったことから、MLが実際に学習・診療支援に用いられていることが判明した。しかし、RISNとの比較から、MLの運営方法や参加者の専門領域・医学的知識の豊富さがMLの有用性を左右することが推測された。 インターネットを活用した学習・診療支援ツールとして、MLの他に診療ガイドラインや電子教科書がある。TFC参加者に実施した調査では、臓器別専門医よりもプライマリ・ケア医のほうが診療ガイドラインに親和性が高く、より活用していた。電子教科書Up To Dateについて、沖縄県立病院・離島診療所医師にその有用性を尋ねる調査も行った。英語リテラシーによる障壁を半数以上の医師が感じていたが、ほとんどの医師が他の方法よりも短時間に情報収集が行えると回答し、学習・診療支援につながると思われた。 最終年度には、診療所教育を積極的に行う医師たちのML(PCFMネット)参加者にもアンケート調査を行った。学生教育に協力する理由の一番は、"教えることが自分の学習の機会になる"で、MLが教育の機会取得に役立っており、間接的な学習支援となることが示された。
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